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Project

まちや人と繋がる住まい。自らつくり手になるからこそ得られる豊かさを探して

まちや人と繋がる住まい。自らつくり手になるからこそ得られる豊かさを探して

Outline
  • エリア
  • 愛知県 岡崎市
  • 設計期間
  • 設計中
  • 広さ
  • 22.5坪(約74.4㎡)
  • 工事期間
  • 2024年10月頃から開始予定
プロジェクトストーリー
「消費者」ではなく「つくり手」の視点から見えるもの

今回のお施主さまは、愛知県にお住まいのカップルのおふたり。

もともと、おふたりの希望の間取りや外観デザインを叶えてくれるようなハウスメーカーの戸建て住宅のご購入もお考えだったと言います。
しかし、いざ住宅選びをしている際に感じたのは、「この家はどこから来た材料で、どんな人たちがどうやって建てているのだろう?」という疑問。
そんな時に地域の材料の利用にこだわり、自分自身の手で自らの住まいをつくれるNESTINGに出会い、改めて、「家はお金を出して買うのが当たり前で、細かいことを素人が知れるわけでない、と思い込んでいた」ことに気付かされたとのことでした。

新しい住まいでは、地域と緩やかに繋がるような、人やまちとの関係性を大事にしたい、と仰っていたことも今回のプロジェクトでは大切なポイントです。

自家菜園スペースをつくってご近所の方と収穫した野菜を分け合ったり、広めのデッキを設けて、友人たちが気軽に集まれるにしたり。 そうした、人と人との繋がりから生まれる、安心感や共助の関係性を大事にされていました。

例えば、野菜を育てるだけでも、自分でつくることで見えてくる新しい発見や、つくり手の方への尊敬の念、自分で育てたからこその愛着や自然への感謝など、多くの気づき・喜び・感動があります。
お施主さまはその「つくり手の視点」を住まいでも体験すべく、ここに新たなNESTINGへの旅が始まるのでした。

プランニング
終わりのない冒険のスタートライン

2024年6月から7月に掛けて、間取りや設備仕様のプランニングを行っています。

一般的に住まいは、建主のプライベート空間として設計されることが多いと思います。
そのため、方法は多くあれど、外からの目線をあえて逸らせたり、室内でも一人一人のプライベート確保のために、個室を人数分に割る、という考え方が多いと言えます。

今回、まちの好きな風景を写真で見せていただきましたが、川沿いの開けた場所でお花見を楽しんでいる様子や、屋外広場でスローな雰囲気のライブを楽しまれている様子など、自然とそこに人が集う空気感が写し出されていました。
そうして、「住まいをプライベートに閉じるのではなく、まちや人との関係性を紡いでいくこと」を大切にしたいという軸も定まったことで、
・道路側にひらけた大きな開口で内と外とを緩やかに繋げる
・室内では家族がどこにいても存在感を感じられるよう、間仕切りではなく段差で空間を分ける
・時間を掛けて(終わりは無いのかもしれないけれど)家具や棚など出来るものは自分たちでつくってみる
という具体的なプランが自ずと決まっていきました。

お施主さまとのやりとりを通して、「自らの手でつくるからこそ、住み手と共に歳を重ねて変化を続けられる家を実現しやすい」のだと、改めて気づかせていただきました。

キット製作準備
ShopBot導入!

(今回はお施主さまの言葉で綴っていきます。)

わたしたちの家づくりで必要な木材を加工してもらう機械である Shopbot。今回は2つの場所に導入されている Shopbot に加工していただくことになっています。そのうちの 1 つは岡崎市にこれから導入予定と のことで繋がらせてもらい、機械の組み立てから手伝わせていただきました。

説明書はあったものの、少し苦戦しながら、2 日程に分けて組み立てました。
私たち以外にも、今回の Shopbot 導入を面白がって、お手伝いに来てくださる近くにお住まいの方々。中 には、普段から機械が身近にあるため、組み立ての容量や知恵を分けてくださる方もいらっしゃいました。

このプロジェクトは、自分たちの家を自分たちで建てるという挑戦ですが、今回経験できたのは、そのための機械から、自分たちの手を動かして組み立てるということ。
機械一つ組み立てるだけで、既に何人ものひとの手を借りて家づくりができていること。
そして、わたしたちの挑戦、家ができることを楽しみにしてくれる人が増えたこと。

従来の家の建て方であれば、知らなかったこと、見られなかったことが多く経験できるセルフビルドの価値の大きさを改めて感じました。

キット製作準備
私たちの家をつくる木を見に、森へ

(今回もお施主さまの文章で綴っていきます)

わたしたちの家づくりに使われる木材は、できるだけ自分たちから近い場所の木であることにこだわっています。

そして、その木材がどこから来ているのか、どんな方々の手や力のおかげでわたしたちの手元に 届くのか、知ることから始めたいと思っています。

今回は、木を伐採するところを担う、木こりの方にお会いさせていただきました。
教えてくださったのは、林業の現状について。

山を維持することの難しさの大きな要因は、木材が正当な価格で販売されないこと。
安いもので言ったら、1 本数百円という金額しか山主には還らないそうです。
木こりの方も、命懸けの仕事であるのにも関わらず、給料が低く、担い手は減る一方。
そうして、山を管理する人の減少が進み、手付かずの山が増えてしまう。

その結果、できていくのは暗い森。

海外では、休みの日に山に歩きにいくことが習慣になっていたり、山でのレジャーが日本よりもメジャー であることもあり、山がもっと身近な存在。そのため、山の現状がもっと自分ごとになったり、情報としても入ってくるのだそうです。

お金を出せば、当たり前に木材が手に入る現代ですが、その裏で犠牲になっている自然や人がいることを知りました。わたしたちの家づくりのきっかけに、今起きている現状を知る人が増えてほしいと思います。

キット製作準備
木材加工の現場見学

(今回もお施主さまの文章で綴っていきます)
先日の森見学に引き続き、木材加工の現場も見学させていただきました。

山で伐採された木がどのように加工され、わたしたちが使える状態にまでなるのか、NESTINGでの家づくりを決めなかったら、聞いたこともないことばかりでした。

多くの工程を経て私たちの手元に届きますが、大きく分けると、3つの工程がありました。

①加工:まずは丸太の状態で届いた木材を、機械で加工します。
②乾燥:乾燥には、自然乾燥と、機械での乾燥方法があり、均一な品質で乾燥させるために機械での乾燥が通常の方法とのこと。
今回木材を仕入れさせていただく会社は人の体温くらいで乾燥させる独自の方法でおこなっているそうです。
③防腐・防蟻処理:木材をより⻑く保つために、防腐・防蟻処理した後に、依頼毎のサイズに加工。全ての過程を見学させていただきました。

また、先日、木こりの方にお聞きした木材の適正価格についての話をすると、より詳しく教えていただきました。

木材が安い価格で出回るようになったのは、高度経済成⻑期に木材の関税が撤廃されたことが大きな原因。
その結果、海外の木材 が破格の値段で大量に入ってくるようになり、国内の木が使われなくなったとのこと。

今の木材を正当な 価格で商流に出回るようにするには現在の価格の倍(!)になるそうです。

家づくりというものの背景にあるものの大きさと深さに、多くのことを考えさせられます。