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離島で始めるゲストが笑顔になる拠点づくり

離島で始めるゲストが笑顔になる拠点づくり

Outline
  • エリア
  • 香川県直島町
  • 設計期間
  • 約2ヶ月
  • 広さ
  • 22.5坪(約74.4㎡)
  • 工事期間
  • 2023年/10〜2023/12 (実質工事稼働日:43日間)
  • 施主参加の工事範囲
  • 建方、断熱、気密、床、壁、天井、キッチン組み立て、ウッドデッキ
  • 工事に関わった人数
  • 30名
  • 建築費用
  • 約2,300万円
プロジェクトストーリー
直島の土地と人に魅せられて

今回のお施主さまは都内のIT企業に勤める女性の方。
お住まいは都内ですが、香川県の直島にご自身が運営されているゲストハウスをお持ちです。

そして、NESTINGを利用して直島内に2棟目となるゲストハウスを建てるのが今回の目的でした。

直島は、国内でも有数のアートスポット。島全体にアート作品が点在しており、国内外から多くの観光客が訪れる場所です。

お施主様は直島に訪れた際に、島の方々が一生懸命に海外から来たゲストへ島の魅力や観光案内などを慣れない英語で行われているを見て、島民の方の島への愛情を感じたそう。
そんな直島の土地にも島の人にも魅せられてこの地にゲストハウスを開業したいと思われたとのことでした。

しかし、離島ならではの課題で、新しい拠点をつくるにしても、大工さんが少なく工事に時間が掛かってしまうことが一般的。
そんな中、NESTINGならあらかじめ工場で加工されたパーツを自分たち自身で組み上げるので、早く建物をつくれます。 10月着工、年内竣工というタイトなスケジュール目標で計画が進んでいきます。

プランニング
1棟目の経験を活かしたプランづくり

お施主さまは既に1棟、直島内でゲストハウスを運営されているため、部屋の間取りや設置すべき設備への理解がとても深い方でした。

直島は外国人観光客の方が多く、長期滞在ゲストもいらっしゃるということで、広いキッチン・洗濯機・2つのベッドルームなど、まるでそこで生活できるような仕様をご希望されていました。

NESTINGチームでは、隣地との関係性や、室内の間取りについてなどスムーズに議論を進めるために、3DのCGモデルを作成。
完成イメージを3Dでイメージしていただけるように準備を進めていきます。

キットの加工製造
お施主さまと一緒にキットづくり!

NESTINGでは、現場で重機や大工さんの持つような特殊なスキルが無くても建築を進められるよう、あらかじめ住宅部材をキット化しています。

それらは、事前に工場で木材の加工・キット化のための組み立てを行うのですが、今回のプロジェクトではお施主さまも一緒にキットづくりに取り組んでいただきました。

この日は、壁部分のキットづくり。

壁となる木材部分と、断熱材を事前に組み合わせてパネルにしておきます。
現場ではこのパネルをはめ込むだけで、壁づくりと断熱工事がいっぺんに出来るようになっています。

建方工事
参加者みんなで作り上げた、結婚式のようなハレの場

2023年10月28日、29日の2日間で、建物の柱・梁・屋根の構造部分を組み立てる「建方(たてかた)」工事を行いました。

この日の前日までに、NESTINGチームメンバーと職人さんで、下準備は完了させてあります。
水道関連の配管を土地の中に埋設し、基礎となる杭部材を打ち込み、土台と足場を用意しておきました。

建方の日には、お施主さまの友人も10名ほど集まり、みんなでco-build開始!
(NESTINGでは、みんなで一緒に建物を建てていく行為をself-buildではなく、co-buildと呼んでいます)

この場で初めましての方同士もいらっしゃいましたが、みんなで共同作業をすることで、チームとしての一体感も生まれていました。

また、お施主さまのホスピタリティが行き届いていて、お昼・おやつ・夕食と、工事期間中は島内の絶品料理・スイーツに舌鼓を打つ、なんとも贅沢で楽しい現場となりました。

工事後にお施主さまとお話をしていたら、「ホストもゲストもみんなで楽しめて、なんだか結婚式の場のようだったよね」と仰っていたのが印象的でした。

屋根工事・外壁工事
お施主さまと一緒につくった壁パネルの取り付け

2023年11月初旬。
平日はNESTINGチームメンバーと職人さんたちで作業を進めます。
この日は屋根の板金と壁の取り付けを行いました。

今回は職人さんや普段から工事慣れしているNESTINGメンバーで工事を進めましたが、設計上屋根の勾配(傾き)が緩やかなので、工事経験の無いお施主さまで施工できるようになっています。

また壁面では、お施主さまと一緒に工場で製作した壁パネルの取り付けも進んでいました!

床貼り
また1つ新しいスキルが身につく・・!

11月の下旬に差し掛かり、現場は床と天井の仕上げ工事が進んでいました。

床は、フロアタイルと呼ばれる材料で、傷や汚れに強いことと、カッターなどで加工できるため、DIYでの施工性も優れています。

床下地の上に、専用のボンドを広げてフロアタイルを敷き詰めていくのですが、ボンドを一定の厚みで塗り広げるのがなかなか難しそう・・!
お施主さまが頑張っていらっしゃいました!

初めて施工したとは思えないほど、とても綺麗な仕上がり。
お施主さまからすると、初めて挑戦することばかりですが、どんどん自分に出来ることが増えていくという感覚も含めて家づくりの工程を楽しんでいただけていました。

内壁仕上げ
ヌリヌリワークショップ開催!

この日は12月の上旬。内装の仕上げが床・天井に続いて内壁の仕上げ工程が進んでいました。

直島の内壁は塗装仕上げ。それも、ひと工夫加えてあって、島の砂を混ぜ込んだ塗料を塗装屋さんにお願いしてオリジナルで調合してもらいました。

粒子の細かい砂を混ぜることで、細かい凹凸が生みだし程よい質感に仕上げるための工夫です。

この日は、東京から友人も集まってくださり、みんなで塗装ワークショップが開催されていました。

壁の一部は、木材加工機械のshopbotで模様を彫り込んだアクセントウォールに。溝の塗り残しが無いよう、筆も使って丁寧に塗装を進めてくださっていました。

外装工事
地域の文脈を引き継ぐ

12月の中旬、そろそろ工事もラストスパートです。

この日は外壁工事。 外壁には焼杉という材料を使用しました。
焼杉は、直島をはじめとする瀬戸内海の島々で、古くから住宅の外壁として使われてきた材料です。

杉の板を焼いたものですが、表面を炭化させることで耐久性を向上させ、腐食にも強くなるのです。
海がすぐ近くにあり、内陸よりも厳しい気候に晒されてきた土地ならではの知恵なのですね。

外壁の色に合わせて、ウッドデッキの材料も黒に塗装。デッキはお施主さまみずから、ご友人と一緒に施工をしていただきました。

NESTINGでは、気候風土や、お好みに合わせた外壁材の選択もしていただけますし、スケジュール感や工事内容によってプロの職人さんに工程を進めていただくなど、柔軟な調整が可能です!

竣工
私たちにとっても記念すべき初竣工

2023年12月23日。 最後の掃除を終えて無事に建物が完成しました。

お施主さまが自らの手で建てられるよう開発したNESTINGの竣工はこれがはじめて。
私たちVUILDのメンバーからしても感無量の瞬間でした。

そして、チャレンジ精神と瞬間瞬間の対応力の高さを兼ね揃えたお施主さまと一緒だったからこそ、無事に目標としていた年内竣工を果たすことが出来ました。

これからは、直島を訪れる国内外のゲストがこの拠点を利用することになります。 島を訪れる沢山の方々がこの空間を笑顔で快適に過ごしていただくことを、私たちも楽しみにしています。