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移住仲間を増やすための拠点づくり。個人で出来るまちづくりへの挑戦

移住仲間を増やすための拠点づくり。個人で出来るまちづくりへの挑戦

Outline
  • エリア
  • 栃木県 那須塩原市
  • 設計期間
  • 1ヶ月
  • 広さ
  • 12坪(約40㎡)
  • 工事期間
  • 2024/4~2024/6(実質工事稼働日:31日間)
  • 施主参加の工事範囲
  • 足場、水道、電気工事以外のすべて
  • 工事に関わった人数
  • 40人
  • 建築費用
  • 約1,200万円
プロジェクトストーリー
「移住して良かった」から、「仲間を増やしたい」へ。

お施主さまは2021年に東京から那須塩原市に移住した3人家族。

移住した当初から、「自分たちが暮らすまちを少しでも盛り上げるようなことに貢献出来たら」という想いを持っていたとのこと。

ご夫婦は二人とも住空間に関わる仕事をされていることもあり、那須での暮らし方・住まいについての相談を受けることも多い。

那須の魅力を伝えることと、移住の先輩としてこれから移住を検討している人への情報提供をするような場所を持ちたいと考えていたときに見つけてくださったのがNESTINGでした。

那須にはホテルが沢山あるけれど、移住者が増えてきている「生活を感じられる場所」に泊まれる施設は少ない。 自宅の近くに「離れ」のような場所があれば、友人が来た時にも泊まってもらえるし、移住検討者の方には日々の生活をイメージできるような試住体験拠点にもなる。

建物を建てる工程を、友人やご近所さんと一緒にやったら楽しそうだし、完成後には那須にまた遊びにくるキッカケにもなる。個人単位で、まちをと考えていただき、那須塩原でのNESTINGが始まったのでした。

土地探し〜下準備
自分の人生で手に入れることになるとは思っていなかった3種の神器

現在住まわれている住まいの「離れ」のような場所、というコンセプトが明確だったため、土地探しはスムーズに進行。
ご自宅から徒歩2分ほどの場所で売りに出ていた土地を購入いただきました。

とはいえ、購入時点では草が生い茂り、前面道路から少し盛り上がった土地だったため、車も侵入しづらい。。そこで、お施主さまご自身で草刈りと、駐車場部分の土地整備を行うことに。

「まさか自分の人生で、鎌・ツルハシ・レーキを買う日がくるとは思ってもいなかった。 でもこれらの道具のおかげで作業は効率的に進むんで、3種の神器と呼んでます(笑)」と笑いながら、ご家族と一緒に土地の整備を行われていました。

建物の設計
まちと繋がるための間取り

計画されたのは、子どもが2人いるようなファミリーでも泊まれるような、1組限定の建物でした。

広さは12坪(約40㎡)と、宿泊拠点として考えるなら少し余裕のあるサイズ。

その中で悩まれていたのは水回りスペースでした。
「暮らすように泊まれる」というコンセプトから、料理が出来る広さのキッチンを備えることや、洗濯機を設置することも要件に入っていましたが、
・キッチン
・トイレ
・洗面台
・お風呂
・洗濯機置場
の上手な配置に苦労されていた様子。

転換点は、「那須の魅力を味わってもらう」というポイントに立ち戻ったことでした。那須は、温泉が豊富なため、お風呂場最小サイズのシャワーブースに。
新鮮で美味しい野菜や、那須牛などの食材を味わえるよう、キッチンは2口コンロを用意する、と設備の優先度が決まっていきました。

基礎・土台工事
いよいよ着工!

2024年4月、いよいよ工事が始まりました。

まずは基礎の打ち込みと土台の工事から。

今回は基礎の打ち込みもお施主様みずから取り組んでいただきました。

建方(たてかた)
2日で建物の形が現れた!

2024年4月の土日。 お施主様の友人・会社の同僚・ご近所さんや市の職員まで含めて15人程度に集まっていただきました。

建方(たてかた)とは、建物の構造部分を組み立てていくこと。
参加者のほとんどは、DIYも初心者。 それでも、あらかじめ工場でパーツが作られているので、現場では大きなプロモデルを組み立てるように工事を進めていくことが出来ます。

小さいお子さんも、大人たちに混ざって作業に没頭!
みんなで一緒にお昼を食べて交流が深まることでチームワークがどんどん良くなっていくのでした。

そして土日の2日で、あっという間に建物の形が立ち上がりました!

屋根工事
NESTINGだからこそできる、親子で屋根工事に挑戦!

工事開始から10日ほど。この日は屋根工事が進んでいました。

「野地板(のじいた)」という屋根の下地になるパーツを設置していくのですが、なんとお施主さまのお子様も一緒に参加!

家の屋根に登るなんて体験、大人でもなかなか無いのではないでしょうか。
しっかりとヘルメットを付け、お父さん、お母さんと一緒に頑張っている姿が印象的でした。

野地板を貼った後は、防水のためのシートを貼り、通気層になる下地を付けてから、ガルバリウムという鋼材で出来た屋根パーツを取り付けていきます。

断熱工事
地味だけど大切な作業...

工事開始から2週間程度が経過しました。
現場では断熱材の設置が進んでいます。

NESTINGはお施主さまの希望に合わせて断熱のレベルもカスタマイズできます。

那須の現場では、国内トップクラスのHEAT20 G2の基準に合わせて断熱の計画がされています。

建物の外側と、内側に、断熱材をはめ込んでいくのですが、これもあらかじめ壁のサイズに合わせて断熱材がカットされているので、現場ではスムーズに工事が進んでいきます。

この頃にはすっかり建物の全貌が分かるようになりました。

柱に落書き!?

これも工事開始から2週間程度が経ったころ。

この日はお施主さまのご友人もお子様連れで作業に参加してくれていました。

子どもたちは外壁になる木材を運んだり、防腐塗料を塗ってくれたりと大活躍!
と喜んでいるのも束の間。。

まさかの室内の柱に赤い油性ペンで落書きを始めてしまいました・・!

というのも実はこの柱、仕上げをする際に壁の内側に隠れてしまう柱たち。なので、沢山落書きしても大丈夫なのです。

こんなことが出来てしまうのも、自分たちでこの建物を建てているからこそですね。

外壁工事
塗ったそばから色が変わる、魔法の塗料?

こうじもいよいよ折り返し。
開始から20日ほどで外壁も大部分が仕上がってきました。

外壁材に使われているのは、栃木県産の杉。これを、大和張り(やまとばり)と呼ばれる、凸凹した表情が特徴の張り方で仕上げます。

杉を何も加工せずに使うと、耐久性に心配があるので、防腐塗料などを塗って仕上げるのですが、今回はお施主さまのご希望で「ウッドロングエコ」という塗料を使用しました。

塗料自体はほぼ水のような、うすーい黄色味を帯びたものですが、杉板に塗って30分ほど天日で乾かすだけで、グレーブラウンのような熟れた色味に変化していきます。

さらに経年と共にシルバーグレーに変化していくとのことで、年を重ねるごとに表情を変えていくのも楽しみです。

まさかの助っ人現る!

工事開始から22日目。
この日は内壁のパーツの荷受け作業がありました。

ドライバーさんと一緒に荷下ろしをしながら、話題は当然、NESTINGの話へ。
「素人たちで作ってるの!?」とびっくりされながらも興味津々な様子。

冗談で、「一緒にやっていきます?」と声をかけたところ、「え、良いの? このあと時間あるから手伝っていくよ!」とまさかのお返事。笑

聞けば、長らく引越屋さんをやられていたとのことで、家具の組み立て・分解のプロ。 華麗なインパクトドライバー裁きで少し難易度の高い工事部分をあっさりと片付けてしまわれていました。

こんな突然の巻き込み、巻き込まれも自分たちで建物を建てているという、お祭り騒ぎのようなことだからこそ起こり得るのかもしれません。

内装工事
カーペット張りに挑戦!

作業開始から23日目

内装の工程も順調に進んでいます。
この日は、床材の施工。 お施主さまのご希望により、カーペット仕上げとなりました。

DIYでカーペットというと、タイルカーペットという、50cm角程度のものを敷き詰めていくのが難易度も高くなく、多少失敗してもやり直しがし易いのですが、ロールカーペットの敷き込みにチャレンジしたいということで、一緒にトライしました。

カーペットになる外周部にグリッパーと呼ばれる剣山のようなパーツを設置。クッション材になる基材を敷き詰めてから、仕上げとなるロールカーペットをしっかりと伸ばしながら張り込んでいきます。

と、ここまでは良かったのですが、カーペット同士のジョイント部分が難しい・・!
専用の糊をアイロンで溶かしながらジョイント部分をピッタリ合わせていきます。スピードと集中力が必要な作業だったのですが、後半、気が抜けたタイミングでお施主さまがアイロンをカーペットの上に置いてしまいました。

すぐに気づいたものの、カーペットの一部が少しだけ溶けてしまうアクシデントが・・
その部分を切り欠いて、余っている切れ端をそこにあてがうことで補修は出来るのですが、「ま、これも味ということで!」とお施主さま。

自分でつくっているからこそ、アクシデントも話題のネタになってしまうし、補修もやりたい時に出来る自信があるからこそ、おおらかになれることを感じた出来事でした。

焚き火を囲む夜

工事も終盤戦に差し掛かったある日の土曜日。
この日の夜はお施主さまが手料理を振る舞ってくださいました。

そしてみんなで焚き火を囲んでおしゃべりを。

NESTINGによって集まった方々が、こうして旧知の友人かのように繋がっていくのは、NESTINGのちから。。だけではなく、焚き火は最高のコミュニケーションツールだなぁと感じた夜でした。

内装工事
天井・壁の仕上げ

工事開始から25日ほどで、天井・内壁のほとんどが完成していました。

今回は、シナ合板という白っぽい色味が特徴の木材に、クリア塗装をした仕上げです。

天井も壁も、溝に合わせてはめ込んでいくような仕掛けになる加工が事前にされているのも、誰もが自分の手でつくれるようにするための工夫です。

いよいよラストスパート!

工事開始から30日。
ほとんどの工事が完了していました。

前回から進んでいたのは、
・小上がりの設置
・ウッドデッキづくり
・階段づくり
・設備の取り付け
など。

小上がりはしっかり収納もついていて、使いやすそう!

デッキや階段は、杉よりも耐久性の高いヒノキを利用。これも地元の栃木県産材を活用されていました。

キッチンや洗面台はお施主さま自身でご用意いただき、施主支給という形を取っています。

ご自身で使いたい設備が決まっていれば、施主支給も出来ますし、VUILDに選定をお任せいただくことも出来ます。

竣工
濃くも短い31日間。 ついに完成!

2024年6月2日。
工事開始から31日でついに那須の宿泊拠点が完成しました。

工事に関わった人数は約40名。
その中には遠方から何度も参加してくれた方もいらっしゃいましたし、既にNESTINGでみずから建てた経験のある別の拠点のお施主さまもいらっしゃいます。

お施主さまからすると、毎週土日に家族総出で家づくりを進めるという、これまでの人生で経験の無い期間だったと思います。

お施主さまが仰っていたのは、「これで終わりなのがちょっと寂しい」ということ。
毎週末がお祭りのような期間だったと感じていただけたようです。

しかし、まだまだ外構も作り込む余地が沢山! 余った端材も有効活用していただけると嬉しいです。

お疲れ様でした!